中小企業診断士試験の学習にあたって、コストも効果も異なる、独学、通信教育、受験予備校通学のうち、自分に向いているのはどれなのかを考えました。
学習方法ごとのコストと効果を考える
中小企業診断士試験に限りませんが、資格試験を受験しようとする場合、学習方法は大きく分けて3つ考えられます。
(1)市販の参考書などを使って独学する
(2)通信講座を受講する
(3)受験予備校に通学する
常識的に考えると、(1)→(3)の順に、学習効果が高くなると考えられます。「学習効果」の定義はあいまいですが、
・学習方法の効率化(なにを、どうやって学習すればいいのか自体を教えてくれる)
・情報内容の理解性の高さ(説明のうまさ、わかりやすさ、質問による疑問の解消など)
・試験分析の効率化(問題の予想)
・モチベーションや学習習慣の維持
といったものが含まれるでしょう。
比較すべきは「コスト」ではなく「コストパフォーマンス」
一方では、必要な金銭的コストについても、(1)→(3)の順に高くなります。ただし、コストは(比較するための要素ではなく)ただの前提だと考えるべきでしょう。たとえば、学費が絶対に用意できなかったり、自宅から通える圏内に学校が存在しなければ、(3)を選ぶことはできません。
比較すべきは、コストではなく、コストパフォーマンスです。
では、コストパフォーマンスはなにを基準に考えるかと言えば、自分にとって必要な学習効果とコストとの比較においてです。
仮に絶対的なコストが高いとしても、それが自分の必要を十分に満たしているのであれば、コストパフォーマンスは高いでしょう。逆にコストは高くなくても、それが不要なものであれば、自分にとってのコストパフォーマンスは悪いと考えられます。
自分に必要な学習効果を計算する
そこで、次に、“自分にとって”どれくらいの学習効果が必要なのかを考えます。自分にとって必要な学習効果は、試験の難易度と自分の学習能力との比率で決まります。
必要な学習効果(E:Effect)、試験の難易度(D:Difficulty)、自身の学習能力(A:Ability)で表せば、
E = D/A
で表せます。
たとえば、英検3級だとか、あるいは日商簿記3級検定の受検であれば、私ならわざわざ受験予備校には通いません。なぜなら、上式の「D:試験の難易度」がすごく低い(小さい)ので、必要な学習効果が低い=独学でも合格可能だと推測できるからです。
過去問を解いて推測
おおむね、上記のように考え、その上で、自分が中小企業診断士試験を受けるとしたらどうなのかを考えてみました。ネットで過去問を調べて、とりあえずざっと解いてみました(時間制限はせず)。わからない問題はさっさと飛ばして、わかるところだけを答えようとしましたが、ほとんどわかりません。
また、自分の能力については、やはり50歳を過ぎて記憶力や、思考の反射神経といった部分がかなり落ちていることは否めません。以前から、趣味で英語の勉強をしているのですが、やはり単語やイディオムの暗記が相当にできなくなっていることから、それは強く感じていました。
やはり、通学による高い学習効果が必要であると感じれました。
もし、あなたが学習方法で迷っているなら、一度過去問題を実際に解いてみることをお薦めします。上記式のAが十分に高い人であれば、「独学でもOK」ということになるかもしれません。もちろん、そのあたりは、人それぞれです。
通信教育の弱点と、通学のメリット
また、最初に書いた学習効果の中で、意外とバカにできないのが、モチベーションや学習習慣の維持です。
1人暮らしというのは、ただでさえ時間の使い方がだらしなくなりがちです。
以前、趣味の英語の勉強で、TOEICで800点を目標に学習計画を立てたりしたことがあるのですが、長期間それを続けることはできませんでした。もし家族がいれば、「勉強はどうしたの?」と言ってくれるかもしれませんし、あるいは言われなくてもその視線を自分の中で内面化して意識することが自己規律につながると思います。しかし、1人だとそのような機会が少なくなります。そのため、学習をさぼっても「まあいいか」となりやすいのです(自分の性格の問題もあるでしょう)。
この点が、自分にとっては、通学を必要としない通信教育の、弱点だと思われました。そこで、その失敗の経験も踏まえて、自分に必要な学習効果が得られるのは、通学であろうと結論づけました。
受験予備校の学費は、だいたい30万円くらいです。30万円という金額は、もちろん高額ではありますが、その金額だけを見て高いとか低いとか言うことには意味はありません。
先に述べたように、コストパフォーマンス(得られる学習効果とコストとの見合い)がどうなのかという点がポイントであり、私にとっては、それはおそらく十分高いものであろうと感じられました。もちろん「高いものであろう」というのは、まだサービスを実際に受ける前なので予測です。