なぜTACでは講師によって正反対のことを言っていたりするのか

先日の完成答練(1)は、情報システムと経営法務。都合により渋谷で受けられず、池袋で受けた。

情報システム担当のK講師は、問題のレベルを教えてくれるのがありがたい(問題レベルなど、そもそも解答解説にちゃんと書いておけよ、って話だと思うが)。それによると、約半数の問題がAレベルで、残りのうち3割がBレベル、2割がCレベル(3段階評価)。

半数の問題が基本レベルだから、全体のレベル感としては易し目なのだろう。Cレベルでは「知るかそんなもん」的な選択肢もあるが、ここで覚えておいて、もし本試験で出されたらラッキー程度の感じか。自分は情報システムが比較的得意で、今回も答練前に復習はほとんどしていないが(経営法務の復習で手一杯だった)、80点を超える得点ができた。

一方、経営法務は、LECの1次模試でひどい点だったので苦手意識がある。以前の苦手科目だった「経済学」の学習をひととおり終えた今では、最重点科目は経営法務だと位置付けている。今回の答練を受けるにあたっては、情報システムの勉強はほとんどせずに、その分時間をかけて経営法務の基本講義を復習した。おかげで今回は運良く70点を超えることができたが、なにしろすぐに知識が忘却の彼方に消え去るので、まったく油断はできない。

経営法務担当の辻井講師は、これからの直前期の学習方法・プロセスについてかなり時間をかけて解説してくれた。その学習方法の内容が、渋谷の遠藤講師とはかなり違う、というより、ほとんど「正反対」に近いことを話していたのが、非常に興味深かった。

講師によって言うことがまったく違う「今後の学習方法」

TACの場合(TACしか通っていないので他の学校は知らない)、各教科の教え方もそうだが、全体的な学習への取り組み方やプランニングなどの面でも、講師によって言うことがぜんぜん違うことがめずらしくない。

講義内容、教え方については、違いが多少あるのは当然だと思うが、全体の学習プランみたいなものの説明が全然ちがうのは、どうなのだろう? 自分のように、都心近くに住んでいて、あちこちの校舎で授業を受けられる人。あるいは、学習仲間のネットワークが広くて、情報交換をできる人なら、それらを比べながら、最終的には自分にあった方法をチョイスするということもできるかもしれない。

しかし、ほとんどの受講生はそういう環境にはないはずだ。それを考えると、講師によって言うことが全然違う、すなわちサービスの品質レベルが保たれてない状況は、あまり良くないことかもしれない。

TACの講師は「実務家」が多い。ということは…

この点に関連して、興味深い記事を見つけた。

この記事は税理士試験講座がテーマだが、自分の経験上、中小企業診断士講座についても、TACの部分は合致するところが多いと感じる(大原は知らない)。

特に「TACは実務家が多い」という部分。渋谷の遠藤講師も池袋の辻井講師も、各校舎での人気講師だが、それぞれ実務家である。実務家であるということは、プロの教育者ではない(教えることが専門ではない)という意味だ。

上に書いたような、講師に言うことがまったく(「多少」ではない)違うことの理由として、「実務家であって、教育者ではない」という説明は、非常に説得的である。実務家だから、自分の経験をベースにしか語れない。多くの人の優れた経験をいったん抽象化して、メタレベルで揉んで組み直してから、だれでも共通に使える道具として落とし込んだものがメソッドだとすると、TACにはメソッドが無いとも言える。

つまり、教育機関として高いレベルで標準化されたサービスやメソッドを提供しようという意図が、TACには最初から無いのだろう。だから、講義内容の属人性が非常に強くなり、場合によっては、講師によって正反対のことを言っていたりする。

面白いことに、業界最大手でありながら(あるいはそうであるが故に?)、教育内容をメソッド化しない部分、言い換えると、ある種の徒弟制度に近い、前近代的な部分を残しているのがTACの特徴となっているのだ。

TACに向く人、向かない人

TACがこのような基本方針を採っているのは、さまざまな理由が考えられるが、おそらく、その方が(合格者数という点での)成果が得られるという経験的な根拠があるのだろう。成果が出ないことを続けているとは思えない。

そして、それが受講生にとって良いか、悪いかは、一概には言えない。自分と相性がよく、師匠となるような講師にたまたま出会えた人、あるいは、相性のよい講師を積極的に選んで学習したいと考える人には、非常に良いシステムだろうし、そうではない人にはいまいちな講義しか受けられないシステムになるかもしれない。ただ、一般的に言えば、受講生が講師を選ぶことについての情報コストが高めになることは避けられない。

そろそろ来年、つまり2019年度の中小企業診断士試験に向けて、どの学校がいいのか調べ始めている人もいるかもしれないので、参考までに記録しておく。

コメント

  1. はち より:

    法務について
    学習方法、どう違うのでしょう?

    TACの誤植、毎度すぎて、いい加減、プロ意識ありますか?と、思うときもあります

    答練、先生により、解説する問題違うので、ちょっと~
    すべて聞きたいなら、早口のE先生に聞くしかないと、気がつきました

    百軒店さん、順調な仕上がりで、うらやましい
    私、まずは模試に間に合わせ、本番までに、修正します

    • 百軒店 より:

      はちさん、コメントありがとうございます。
      わかりににくかったですが、違いがあると書いたのは、法務の学習ではなくて、直前期の全体的な学習方法です。いろいろあるのですが、簡単にまとめると、遠藤師は「とにかく過去問中心」ですが、辻井師は「過去問は参考程度でなるべく新問」ということでした。
      模試まで1か月ですね。目標を達成できるようにお互いがんばりましょう!