「中小企業経営・政策」に限らないが、覚えにくい数字や用語を丸暗記しなければならないとき、「語呂合わせ」を使うのは有効な方法だ。
TACのWeb講義を聞いていたら、中小企業の定義の「業種分類」の覚え方で「せおろこさ」とか言ってた。
……、いや、それそのままじゃん。もうちょっとがんばろうよ。
「経営情報システム」で出てきた「アプセトネデブ」(OSI参照モデル)もそうだけど、頭文字をつないだだけの「呪文」系の文字列は、リズムだけで覚える感じ。なにもないよりはマシだろうが、こういう呪文をいくつも長期記憶に定着させることは難しいというか、定着させるまでの作業がつらい。
語呂合わせはイメージ(映像)が浮かぶことが大切
以前の記事でも記憶について書いている。
『ざっくり分かるファイナンス』は、よくまとまったファイナンス入門
https://50dai-shindanshi.com/20171123235/
繰り返しになるが、長期記憶に残りやすくするには、なかば無理矢理にでも、映像を伴うイメージ(ストーリー)と結びつけるのがベターである。そのためには、できれば主語述語を備えた文、少なくとも意味のある語句でなければならない。「呪文」系文字列ではイメージがわかない。
私は語呂合わせを作るのが好き(というより丸暗記が苦手)で、各科目を通じてけっこう作っている。長短あわせて40~50個くらい作っただろうか。合わせ方に多少「無理矢理」感はあっても、自分が覚えやすいように、自分用にアレンジして作っているので、たしかに忘れにくい。
「企業経営理論」で出てくる「ECRSの法則」は、「はい、ケツ交換」で覚えた。「排除、結合、交換、簡素化」ですね。『がきデカ』のこまわり君(古すぎw)が、尻を出して、「はい、ケツ交換」と言っている映像イメージである。大きな声では言えない(書けない)が、下品な下ネタ系で作ると忘れにくい気がする。子供用の教材(?)で「うんこなんとか」というのが流行っているらしいが、それも同じ理屈だろう。
一番いいのは、意味があって、しかもリズムもいい語呂合わせだけど、そういうのはなかなか作れない。
小ネタだが、「運営管理」の工程図記号がなかなか覚えられなかった。数量検査は□、品質検査は◇。これは、「数量平方、品質菱形」と覚えた。□は平方ですね。リズムもいいし、前半が脚韻、後半が頭韻を踏んでいるのが自慢(笑)。要は、ラップのリリックやライムみたい作るのが理想だ。ヘイヨー。
中小企業と小規模企業定義をまとめて覚える
さて、中小企業基本法における中小企業の定義と、小規模企業の定義であるが、次のようになっている。「中小企業経営・政策」本試験では、これを問われる問題は頻出というか毎年のように出ている。まとめて語呂合わせで覚えてしまおう。
●中小企業定義(中小企業基本法)
業種 | 資本金 | 従業員数 |
---|---|---|
製造業、建設業、運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
小売業、飲食業 | 5000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5000万円以下 | 100人以下 |
上の中小企業の定義表の「数字(資本金 or 従業員数)」については、TAC池袋のT講師が「33115551=さんざんいい午後こい」と教えてくれた。これは結構覚えやすいので、そのまま使わせてもらう。
業種については、「せおろこさ」ではあまりに工夫がないので、考えてみた。
せいぞう、けんせつ、うんゆ
おろし
こうり、いんしょく
さーびす
の各文字を取って「せけんおこいす=世間を恋す」である。「製造、建設、運輸」が全部入っているのが自慢(笑)。
●小規模企業定義(中小企業基本法)
業種 | 従業員数 |
---|---|
・商業(卸、小売、飲食) ・サービス |
5人以下 |
上記以外 | 20人以下 |
さらに、小規模企業の定義も加えておく。
過去問を見てもわかるように、中小企業の定義と小規模企業の定義が混在して出題されることも多い。関連性が高い項目はなるべくまとめて覚えておくと、記憶を引き出しやすい。
小規模企業の定義はシンプル(原則、従業員20人以下。商業、サービスのみ5人以下)なので、そのまま覚えてもいいようにも思えるが、念のため、上の行だけを語呂合わせに入れておく。
「小規模企業(しょうきぼきぎょう)は、商業(しょうぎょう)と、サービス業で、従業員数5人以下。」(その他、20人以下は、そのまま覚えてください)
ということで、「しょうしょうさん5人=少将さん5人」。語呂合わせの展開の関係でこれを先にもってきてまとめると、
「少将さん5人、世間を恋す。さんざんいい午後来い」
で完成!
小規模企業と中小企業の定義問題は、これだけ覚えておけば絶対取りこぼさない、、、かな?
なお、実際に試験問題を解く際には、略字でいいから問題用紙に表を書き起こしてチェックしながら解いた方がいい。頭の中だけで考えていると間違えやすい。