テキスト誤植だらけのTACだが、答練で誤植はマジやめてほしい

TAC中小企業診断士講座の「経営法務」も、養成答練でおしまい。最後の科目である「中小企業経営・政策」を残すのみとなった。

「経営法務」の養成答練の前に、一応5年分の過去問を解いておいた。

過去問だが、この科目は法律が変わるのであまり古いのものまで回しても意味が無いだろう。5年でまず十分ではないか。深掘りするなら、それより古い問題をやるより、他資格系(公務員試験系とか)の問題集をやる方がいいのだろうけど、そこまではなかなか手がまわらない。5年分の過去問を見たところ、TAC基本テキストと「トレーニング」だけでもしっかり定着させれば、本試験で40~50点くらい(足切りにならない程度)は取れると思う。あとは、答練とか模試での積み上げかな。

法律も会計と同じように「体系」なので、個別論点を暗記する前に(あるいは並行して)、体系をある程度理解した方が定着はしやすいだろう。民法、会社法、知財関係は、それぞれ入門書を1,2冊読んで、体系としてざっくり押さえてから個別論点を覚えるようにするのが、本当はいいと思う。

会計だと、『ざっくりわかるファイナンス』『財務3表一体理解法』みたいな定番の入門書があるのだけど、法律の方では、こういう新書レベルの手軽な入門書はないのだろうか?(ご存知の方がいたら教えてください)

意外と解きやすいパズル系問題

過去問には、けっこう面白い問題がある。H28年第4問とか、H27年第4問みたいに、問題文が長くて一見複雑そうに見えるけど、落ち着いて考えれば解ける「パズル系」の問題。こういうのは、長文にびびらなければ、現場対応が十分可能なので、好みだ。

一方、民法の総則から出されるような問題(TACの過去問題集には「本来は範囲外である」と書いてある問題)だと、知識というより、法律的な考えのセンスが問われるようものも多くて、これはすべて覚えておくことは無理だし、上に書いたような体系がある程度身についていないと、現場対応は難しいだろう。また、金商法(どころか東証の取引所規則まで(笑))の細かい規定を問われるようなクイズ系の難問になると、知らなければお手上げ。このあたりの問題が出たら、運に任せるしかない。

英語は難しくて、完全に理解できるのは、TOEICだと800点レベルじゃないだろうか? 英文を全部理解できなくても問題は解ける場合があって、こちらも運に左右されるか。

答練の誤植はやめてほしい

さて、経営法務の「養成答練」だが、問題文に誤植があった。以前の答練でも問題文に誤植があるときがあったが、事前にTAC側で気づいていれば当然ながらその旨指示と訂正がある。ところが、今回は指示がなかったので、TAC側でも気づいていなかった、ということだろう。

私は問題を解いている最中に気づいたが、それが問題の設定上、意図的に誤って書いている部分なのか、それとも単なる誤植なのか、判断に迷った。そこで悩んで、たぶん3分くらい時間を無駄にした。(時間は余っていたので、答練の点数には関係なかったが)。

結論としては、これは問題設定上わざと間違えを書いているのではなくて、単なる誤植であろうと判断したが、講義後に講師に確認したところ、やはり誤植であろう、と。勘弁してほしい。ちなみに誤植の箇所は、第6問の選択肢イである。TAC生の方は確認してみてほしい。この(日本語になっていない)「発行することができる」を、問題設定上わざと誤りにしてあるというのは、さすがに無理があろう。選択肢ア~ウまでコピペで作って、イの後半の節を直し忘れたのだと思われる。

TACのチェック体制は甘すぎるのでは?

TACのテキストは誤植が多い。とくに「経営情報システム」のテキストはひどくて、20箇所以上もミスがあるし、現時点でTACから公表されている誤植以外にも、誤植や情報が古いところをいくつも見つけている。かなり信用できない。「金返せ」と言いたくなるレベルで、「経営法務」で習ったばかりの、「瑕疵担保責任」という言葉も頭をよぎる。「経済学」のテキストの誤植も「経営情報システム」ほどではないが、誤植があり、その内容がちょっとひどかった(意味が正反対になる、など)。

しかし、テキストだけじゃなくて、一応「テスト」である答練で誤植があって、しかも事前に気づかないって、やばいんじゃないですかね。専門の校正者がチェックをしていないってことはないと思うけど、チェック体制が甘すぎるのでは。

ちなみに、「経営情報システム」のテキストと違って「経営法務」の基本テキストは、誤植は少ないし、構成も説明もけっこうよく出来てると思ったが、ちょっと掘り下げが浅いような……。本番対応するには、もう少し深掘りしてほしい。厚くなってもいいから。

答練の内容は、超基礎レベル。だが…

養成答練の問題だが、ひとことで言えば「簡単すぎる」のではと感じた。養成答練だから、基本の確認が主眼ということなのかもしれないが、本試験への対応ということを考えると、もうちょっとひねりのある、考えさせる問題が何問かあってもいいのではないだろうか。

いまの時期(4月)ということを考えても、客観的に見て、本試験で合格するためには90点が合格ラインだろう。この答練で100点を取ったと聞いても、とくに驚かない。

なーんて偉そうに言っておいてなんだが、自分は5問も間違えて83点。恥ずかしながら、持分会社、消費者保護法制あたりが、テキストレベルの知識さえしっかり定着できていなかった。合格ラインに達するまでは、まだまだ勉強不足ということ。ま、ボチボチいくしかない。

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コメント

  1. しまじろう より:

    こんにちは。

    しまじろうともうします。速習講座は今週から法務です。

    知財法の入門書ならば、奥田百子先生の「なるほど図解 特許法のしくみ』がありますよ。弁理士試験の入門講座を受講していた際、副読本として利用してました。
    商標法や著作権法もありますよ。

    • 百軒店 より:

      しまじろうさん、こんばんは。
      参考書の御教示ありがとうございました。調べてみます。
      しまじろうさんは、法務はお得意の分野でしょうから、楽勝ですね。

      自分は最初は用語の難しさで大変でしたが、慣れてくるとやはり考え方の全体がロジカルにできているので、運営管理などと比べれば、むしろ親しみやすかったです。