経営情報システム終了。そしてAnkiの使い方

経営情報システムは終わり、次は経営法務

TAC中小企業診断士講座の、経営情報システムの養成答練が終わった。

以前も書いたが、この科目、前半のハードウェアやソフトウェアの基本は、知っていることばかりなので楽勝かと思っていた。が、後半のセキュリティ関係とかシステム開発手法、ガイドライン関係は、それなりに覚えることが多くて、やや難儀した。(特にガイドライン関係については、少々思うところもあるのだけど、それについてはまた別の機会があれば書く。)

それでも、やはり事前知識が多かったことと、基本的に好きな分野だというアドバンテージがあって、答練ではこれまで受けた5科目の中で最高点が取れたので、(しょせんは基礎レベルの養成答練ではあるが)まずます満足だ。

これは、前回記事で書いた「Anki」のおかげも、大きい。

診断士試験は科目によって性格がずいぶん異なるが、「運営管理」「経営情報システム」あたりは、「語の定義を知っているか、知らないかだけ」という問題も多く、いわゆる暗記科目だろう。TAC渋谷のE講師いわくの「ウルトラクイズ」だ。そういう科目においては、「Anki」の効果は大きい。

紙のカードとデジタルカードの、それぞれに向いているケース

紙媒体の暗記カード(あるいはノート)と「Anki」のようなデジタル媒体でのカードは、それぞれ一長一短がある。

紙媒体が向いているケース
(1)項目の内容が複雑で構造化した文章で理解したい
(2)図表、数式が多い
(3)項目数が比較的少ない
(4)後から修正をする必要が少ない
デジタル媒体が向いているケース
(1)言葉の意味や定義を端的に覚えればいい
(2)図表、数式が少ない
(3)項目数が比較的多い
(4)後から修正をする必要が多い

これらのうち、(3)(4)は比較的テクニカルな要素だが、(1)(2)はクリティカルな要素だと思われる。なので、これに該当すると感じるなら、デジタル媒体を使った方がいい。とはいえ、どちらか一方にまとめる必要はなく併用だってかまわない(まとまっている方が管理はしやすいが)。ただしアプリなら1つのアプリ、紙なら1サイズにはまとめた方がいいだろう。

いずれにしても、紙媒体を使う(1)(2)の理由を考えると、名刺大とかB7くらいの小さいサイズでは、その特性を活かせないのではないかと思う。紙を使うなら、大きい方がいい。自分の感覚だと最低でもA6、できればB6~A5のサイズは欲しい。今は、A5で差し替え可能なノート(ルーズリーフではなく)があるので、それが使いやすいだろう。

端的な意味の暗記にはAnki

言葉の意味や定義だけを端的に覚えるような使い方が中心なら、紙ではなくてデジタル媒体の利用をすすめる。

アプリは、別に「Anki」じゃくてもいいが、汎用的な外部ファイル(csv)への入出力機能は絶対に必要だ。入力時に、いちいちカードのインタフェイスでちまちま入力するのは面倒なので、エクセルで、がーっとまとめて入力してから読み込ませる方が効率がいい。

書く内容、形式はそれぞれが自分の学習度と使いやすさ(覚えやすさ)に応じて作ればいいのだけど、参考までに、自分の場合は基本的には「穴埋め問題形式」にしている(そうではないものもある)。

「覚えたい項目(語)」を穴埋めにして問う場合もあれば、項目(語)自体は書いておいて、その内容を問う形式にすることもある。これは、どういう場合にどちらという決まりはないが、基本は「覚えにくい方」を空欄にするのがいいみたいだ。

ただしそのときに、空欄に入る語句の粒度を大きくしすぎると、当然ながら覚えにくく、いつまでたっても覚えられなくなる。そんなときは、そこだけ書き直せばいい。そういう修正が簡単にできて、ソースを破棄する必要がないのが、デジタルの良いところだ。

Ankiカードは、自分で「問題」を作る

紙のカードだと、表面に「語」、裏面に「意味」または「定義」といった構成で作る場合が多いのではないかと思う。

しかし、私の場合、それだと本当に「丸暗記」みたいな感じになって、ちょっと覚えにくい。そこで、基本は穴埋め形式にしている。

たとえば、

1つのグローバルIPアドレスに対して、1つのプライベートIPアドレスを割り当てる方法をNAT(Network Address Translation)という

という文を対象にするケースで、「NAT」を覚えたいなら、次のような形でカードを作る。

<Ankiの表面>
1つのグローバルIPアドレスに対して、1つのプライベートIPアドレスを割り当てる方法を【A】(【B】)という
<裏面>
【A】NAT、【B】Network Address Translation

こんなパターンが、「覚えたい項目(語)」を空欄にしている例だ。なお、空欄を示すマーカーの【A】【B】などは、IMに短縮読みで登録しておけばいい。こんなものいちいち打ちたくない。また、Ankiには標準機能で穴埋めカードを作る機能があるのだけど、正直それはあまり使い勝手が良くない。自分でポインタを埋め込む方が、たぶん使い勝手がいい。

なお、私の場合は、「グローバルIPアドレス」「プライベートIPアドレス」はもともと知っている言葉で、新たに記憶対象とする必要がなかった。そのため上のような作りにしたが、「グローバルIPアドレス」「プライベートIPアドレス」の区別も覚えたければ、別のカードを作ってもいいし、あるいは次のように覚える対象を増やしてもいい。

<Ankiの表面>
1つのグローバルIPアドレスに対して、1つの【A】を割り当てる方法を【B】(【C】)という
<裏面>
【A】プライベートIPアドレス、【B】NAT、【C】Network Address Translation

このあたりは、個人の学習進度に応じて作ればいいし、後から変更するのもデジタルなら簡単だ。

また、上のカードをコピペして、ちょっと変えて、

<表面>
1つのグローバルIPアドレスに対して、複数の【A】を割り当てる方法を【B】という。なお、これは別名【C】(【D】)とも呼ばれる
<裏面>
【A】プライベートIPアドレス、【B】IPマスカレード、【C】NAPT、【D】Network Address and Port Translation

みたいなカードを作ることも簡単だ。(英単語は、検索してコピペするのが速い)。

項目から内容を覚える

次が、項目(語)は書いておいて、内容を空欄にするパターン。たとえば、「IDS」の内容を覚えたい場合なら、次のようにする。

<Ankiの表面>
IDSは【A】の略で、日本語では【B】システム。【C】を監視する。種類として【D】型、【E】型がある。
<裏面>
【A】Intrusion Detection System、【B】侵入検知、【C】不正アクセス、【D】ネットワーク、【E】ホスト

あとは、紙だったら表形式で書くようなものは(HTMLで表も貼れるが、面倒なので)箇条書きで書いておく。次のような感じ。必ずしも穴埋めにしなくてもいい。

<Ankiの表面>
トランザクションのACID特性とは?
<裏面>
・Atomicity(原子性):トランザクションは完全に実行されるか、まったく実行されないかのいずれか
・Consistency(一貫性、整合性):トランザクションによる実行結果は矛盾のない状態であること。
・Isolation(独立性):トランザクションは他のトランザクションの影響を受けないこと
・Durablity(持続性、耐久性):トランザクションの実行結果が失われないこと
裏面は一言一句をそのまま覚えるというより、概要を覚えていればいい感じだ。基本は、穴埋め形式だが、このパターンで作ってもいい。

デジタル化のメリットは「検索」と「使い回し」、「加工性」

デジタル化しておくことの良い点は、「検索ができること」「使い回しが利くこと」の2点だ(自分の場合は、文字が読みやすいということもあるが)。

たとえば、上の最後の例で、「トランザクションのACID特性」という言葉を忘れてしまって、「Atomicity(原子性)」という言葉だけを覚えおり、なにかの拍子に「あれ、原子性ってなにで出てくる概念だったっけ?」と思ったら、Ankiで「原子性」で検索すればすぐに該当カードが呼び出せる。

また、「使い回し」については、まだ研究中だが、音声読み上げ(機械読み上げ)のソースデータにできないかと考えている。満員電車など、完全に動けないようなときでも利用できるようにだ。

最後の加工性だが、これはすでに述べたように、運用していく中で学習進度に応じてカードを修正したり、場合によっては2枚のカードの内容を1枚にまとめたりすることも簡単にできる。言ってみれば「自分が覚えにくいところだけをまとめた、自分専用の問題集」みたいなものが作れることになる。

もはや懐かしささえ感じる言葉になってしまった「ワンソースマルチユース」だけど、限られた時間での効率性が求められる資格試験勉強では、やはり意識したいポイントだと思う。

いつでも学習できるのがスマホのメリット

スマホは、外出するときにたいてい持っているというのもポイントが高い。

皆さん、単に道を歩いているときでも、頭の中で学習内容を思い出して反芻したりしていることがよくあるでしょう? そのときに、たとえば「TCP/IPの4つ目の層ってなんだったけ?」と思ったら、信号待ちの時にでもスマホを取り出して、「Anki」で検索すればすぐわかる。もちろん、ネットで調べたってわかるのだけど、ローカルでの検索の方が速いし手軽だし、同じソースに当たることでより記憶を強固にできる。

あるいは、電車に乗っているとき「TCP/IP」に関連するサイトを調べて、覚えておきたい内容があったら、そのテキストか画像か、あるいはURLをコピーしてAnkiカードの「TCP/IP」の項目に貼り付けておけばいい。整理するのは後でもかまわない。

もちろん、上に書いたような穴埋め問題文章自体も、自分の理解度に応じて修正(空欄の粒度を変えるなど)してもいい。そうやってカードを「育てる」ことで、どんどん使いやすくできるのが、デジタル媒体の非常に優れている点だ。

また、スマホのいいところに、暗いところでも読めることがある。

私はよく夜中にコンビニに行くのだけど、そのときにはスマホを持ち「Anki」をめくりながら、車の走らない裏道を少し遠回りして、片道10分くらいかけてコンビニにいく。この往復だけで20分の学習ができる(あと多少の運動不足解消も)。夜の散歩に紙のカードでは、ちょっと使えない。

追記:Ankiは、初期設定のままで使わない

Ankiの使い方で、ひとつ書いておいた方がいいことを思い出したので追記しておく。

Ankiでは、単語帳の設定、一日の新規学習カード枚数や復習カード枚数、復習間隔などを自由に設定できる。初期設定はあくまで「仮」みたいなもので、自分の学習状況、学習計画にあわせて適宜変更すべきだ。

単語帳は科目別に作っておく。単語帳ごとの1日の復習枚数は、1科目のみの学習であれば100枚(初期設定)でもいいが、科目が増えてくると負荷が大きすぎて回しきれなくなる。もし全7科目のカードを毎日100枚ずつ復習するとしたら、それだけで毎日700枚になり、とてもやりきれないだろう。(実際は全部の科目で大量のカードを作る必要はないだろうが)。

もっとも、これはあくまで復習カードの上限はあくまで上限なので、全部チェックしなくてもいいのだけど、やり残しがでるのは気分的によろしくないし、管理しにくい。

そこで、現在の全体のカード数(科目が増えるにつれて増えていく)と、学習スケジュールの進行にあわせて、単語カードごと(科目ごと)の一日あたり復習カード数をだんだん減らしていくのがいい。

どのくらいの数字が適正なのかは、人によって違うが、1日50枚の復習カード数でも、科目が増えるとかなり大変になる。

とにかく初期設定のままでは使わないということがポイントだ。

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コメント

  1. はち より:

    着々と学習進んでいらっしゃるようで、うらやましい‼

    最近はスマホで暗記もありですが、
    どーも私は覚えられない
    年代のせいか、覚えられないものは、紙にガシガシ書いての暗記世代です
    もちろん、日本語には見えないような文字で書きます
    百軒店さんは、頭脳にむっちゃ柔軟性ありますね
    新しいものも抵抗なく受け入れて

    私は、遅れまくりの学習をどう取り返すかが最大の課題です

    • 百軒店 より:

      はちさん、こんにちは。
      私は若いときからパソコンを使って情報整理するみたいな仕事が多かったので、慣れているだけです。決して柔軟性は高くありません。。。

      書いて覚えるのは悪い方法ではありませんけど、あわせて「声に出す」ことはお薦めしますよ。私はファミレスみたいなところで、スマホ見ながら、ブツブツとひとりで話してます。はっきり言って、周りの人から見たらちょっと気持ち悪いかもしれません。
      まだ5か月ありますから、十分取り戻す時間はありますよ。GWもありますしね。お互いがんばりましょう。