TAC渋谷校で中小企業診断士講座を担当しているE講師が「寺子屋」という名前で、2次試験対策の勉強会を開催している。TACとは関係ない、私的な勉強会である。大学の自主ゼミのようなものだ。他校舎にも、同様の勉強会を行っている講師はいるらしい。
今回が2回目で、私は前回に続いて参加した。前回は、TAC渋谷クラス(1次本科)のみからの参加だったが、今回は、1次上級、2次本科といったクラスからも参加者があり、総勢で80名くらいだっただろうか。なかなかの盛況であり、TACとは関係ないとはいいながら、参加者はほぼ100%TAC生、元TAC生だ。
グループディスカッションが中心
勉強会は、事前に与えられたテーマ(2次試験過去問)について、参加者各自が作成して持ち寄った解答についての、グループディスカッションを中心として進められる。講師の他、数名のチューター(E講師の教え子の診断士)が見回って、ときどきコメントをくれる。講義形式での解説は、ほとんどない。講師のコメント内容もヒント的に考え方の方向性を示すだけで、メソッド化された解法などが教えられるわけではない。大まかなディレクションだけして、あとは参加者同士で考えることをうながすといった感じである。
あくまで私的なゼミでもあるので、詳細な内容についてはここでは書かない。また、私はいまのところ、この「寺子屋」以外では2次試験の学習にまったく手を付けていないので、ここでの内容が良いとか悪いとかの評価はしにくい。
ただ、他の受験生やチューター、講師のコメントを聞きながら、あれこれと考えられるのは、なかなか刺激があって楽しいことは確かだ。なるほど!と、納得させられることも多い。このゼミだけで2次合格レベルまで行くのは、ボリューム的にも無理だと思うが、得るものはある。
できれば毎月くらいのペースで開催してもらいたい(後で他の受講生に教えてもらったら、昨年はそれくらいで開かれていたらしい)が、E講師が忙しいらしく今年は隔月のペースで開催されていくようだ(次回は3月開催予定とのこと)。
参加費は「懇親会費」込み!なので、仕方なく懇親会へも参加
本体の勉強会は、2時間半程度で終わり、その後に懇親会(飲み会)があった。以前にも書いたが、私は酒を飲まないこともあって、飲み会は好きじゃない。なので、前回の寺子屋のときは、勉強会のみで帰り、懇親会には参加しなかった。
ところが、前回は勉強会と懇親会で別々だった参加費が、今回は「懇親会込みで4000円」とされた。私のように、勉強会には参加したいが、懇親会には興味がない者にはちょっと厳しいが、懇親会も込みでの「寺子屋」なのだと言われれば、そういうものかと受け入れるしかない。私的な勉強会なのだから、そういう方針が気に入らないなら来なくていいよ、ということであろう。
「懇親」そのものに興味はなかったので、勉強会だけで帰ろうかとも思ったのだが(実際そういう人も3割くらいいた)、しかし自宅警備員の身にとって4000円は大金である。払ってしまった以上、元をとらなければもったいと思い、今回は懇親会まで参加した。
しかし懇親会も案外に楽しかった
いじきたない理由ではあったが、しかし結果的には参加して良かったと感じた。
知り合いはいないので、適当に着席したが、たまたま現役診断士の方や、昨年の試験に落ちた2次本科生、1次上級の人ばかりが周りの席にいて、その人たちからいろいろ興味深い話が聞けたからだ。診断士の方には、仕事の内容から営業の方法、さらには同期で受験していた人たちで、ずっと受からなかった人たちの話など聞けて、かなり有用だった。
TACなどの学校などが主催して、現役診断士を呼んで仕事の内容を話してもらう講演会のようなものもたまにあるけど、そういう場とは違った本音の話をフランクに聞けたのは、飲み会ならではであろう。まあ、偶然そういう場所に着席できたからではあるが。
もし次回の寺子屋参加費が懇親会費込みなら、もちろん今回と同様の理由で懇親会にも参加するが、第1回のように別だとしても、そのときの気分や体調が良ければ(いつもたいてい悪いが)、懇親会まで参加するかもしれない。
勉強仲間がいることは、やはり学習には有用らしいと思った
もう1点、参加して良かったと思ったのは、「勉強仲間がいることは、学習にとってプラス」という説が、どうやら正しそうだとわかったことだ。
診断士講座が始まった頃、「合格のためには勉強仲間を作った方がいい」といったことをTACの講師は判で押したように話していた。また、あちこちのブログなどにもそう書いてある。
正直言って、私はいままでその説に懐疑的だった。勉強というのは自分がやるかやらないかで、仲間がいるとかいないというのは、関係ないだろう、と。しかし懇親会に出て、周りの人の話を聞いたりしているうちに、なるほどこういう効果もあるのかと感じたことがあった。
それは、会話の中で多様な形で、いわゆる「知識のアウトプット」ができる、ということ。インプットの面では効果はないだろうが、アウトプットの効果は、たしかにありそうだ。ああ、勉強仲間がいるメリットとはこういうことか、とやっとわかった。
こういうことは、実際に体験したことがないとなかなか想像がつかない。体験するためにには、そういう場に参加しなければならない。ところが、体験したことがない人は、そのメリットがわからないから、参加しない。というわけで「鶏が先か、卵が先か」という堂々巡りになってしまう。
体験させるためには、無理矢理にでもそういう場に参加させないとならない。私のような者は、今回のような形(懇親会代込み)でなければ、絶対に飲み会には参加しなかっただろう。だから、そういう者にも参加させる(学習仲間がいることのメリットを体験させる)ために、あえてそういう設定にしたのか? なんて、考えすぎだろうが、後付けでそう言ってもいいかもしれないとは思った。
まあ、いろいろいい刺激にはなりました。