先日の講義で、講師が半ば自虐的にギャグのネタにしていたのだけど、TAC中小企業診断士講座のテキストで、面白い(?)正誤訂正が発表されている。
「×××については平成18年度に出題があり、再度、同じ形で出題されることは考えにくい。~」
(正)
※当該文章を削除してください。(本論点は平成29年度××問で出題されたため、p.××に掲載して解説しておりますので、ご参照ください。)
要するに「こんなマイナー論点、たぶん2度出ないよ」と書いたら、出てしまって大あわて、ということですな。
執筆担当者は上から怒られて、「良かれと思って書いたのに」とションボリ(´・ω・`)……、かどうかは知らないが、まあ、受験予備校の分析や予測も意外とあてにならないことがわかる。
上のミスは、筆が滑ったというか、サービス精神過剰で「やっちゃった」という感じで、微笑ましいと言えなくもない。だが、これに限らず、TACのテキストは意外と単純な誤植や修正が多い。
限界正確性逓減の法則
私は出版・編集の仕事を長いことやってきて、雑誌の記事や書籍をたくさん作った。作る側だった人間がこういうことを言うのは、完全に言い訳になるが、本の誤植を無くすというのはなかなか大変なんですよね。(どこかの中小企業診断士予備校が以前出版した本にも、誤植だらけのものがあったとか?)。恥ずかしながら、私が作った本にも「誤植だらけ」みたいな、ひどい出来のものもあった。
もちろん、校正段階で入念にチェックすれば、限りなく誤植を減らすことはできるのだけど、完全にやろうとすれば多額のコスト(人件費)と時間がかかり、かかるコストと比べて効果は逓減していく。
ミクロ経済学風に言うなら、限界正確性(ma)はコスト(c)に対して逓減していくということで、数式で書けば、ma=√c みたいな感じになる(あってるかな?)。
出版社も商売だから、バランスが難しい。予算の制約が厳しいときや、あるいは多少ラフでも、時間優先で急いで出版したいというときもある。雑誌記事は言うに及ばず、本だって「生もの」だ。
だから、出版物から誤植がなくなることは、なかなかない。
(ちなみに、当ブログも誤植は散見されると思う。個人が趣味で書いているものだからそんなに神経を使っていないのに加えて、老眼で細かい字が見えにくいこともある。ご容赦を。)
受験用のテキストに誤植が散見されるのは、いかがなものか
そういう作る側の事情もわかるので、普通の本の場合は、私は誤植には寛容である。「あーあ、間違っちゃってるよ」と思うだけで、担当編集者に同情するくらいだ。
しかし、学習者の立場となるとちょっと違う。受験用のテキストや問題集は、一般的な本よりも厳しくチェックして、なるべく誤植は無くしてほしいと思う。テキストが完全に信頼できないと、(自分が間違っているのか、テキストが間違っているのか)と迷い、学習の阻害要因になるためだ。
TACのテキスト(問題集や答練もまとめて)は、やや誤植が多いなあという印象だ。高い受講料を取ってるんだから、校正校閲にもっとお金をかけて、しっかりチェックしていただきたいと感じる。正誤表を出せばいいというものではないのでは?
(天に唾するようなもので、私がこんなことを書いていると知ったら「お前が言うな」と怒る人もいるだろう。申し訳ない)。
やっと本題。これ、どうなんだろう?
実は、当記事の本題はここから。
経済学・経済政策の「基本テキスト」で、わからない箇所がある。最初は自分の理解不足かと思ったが、どうもこれはテキストが間違っているのではないだろうかと思えてきた。
だが、初学者の自分が気づくような間違いであれば、他の受講生や講師もすぐに気づくはずだし、それならすぐ正誤表が出されるだろう。ところが正誤表には載っていない。ということは、やっぱり自分の理解不足か?
うーん?
追記:TACに質問メールを送ったところ、「ごめん、間違えちゃった (・ω<) てへぺろ」(要約)という返信がありました。正誤表も出すそうです。
それにしても、全国のTAC校舎で経済を担当している講師の方々、講義で解説するときだれ一人として気づかなかったのかしらん? 誤植よりもそっちの方が問題な気がする。うーん(-“-;)?

よくわからないところ。
コメント
お疲れさまです
訂正出ましたね‼
確かにどの科目も何かしら訂正あり~ですよね
今日も頑張りましょう
はちさん、こんにちは。
今日も疲れました。
テキスト、毎年原稿を新規作成しているなら誤植も仕方ないと思いますけど、「早期財務」でもらった去年のテキストを見たら、95%くらいは昨年の流用でした。
科目によっても違いますけど、新しく作っているところはせいぜい10~20ページくらいでしょう。
それでこれだけ訂正が出るのは、正直、ちょっとどうかと思います。