はじめてのTAC養成答練、企業経営理論

TAC中小企業診断士講座の企業経営理論は、前回の講義が最後だったのですが、科目の最終回ということで講座についてのアンケートがありました。質問項目が用意されており、マークシート用紙に回答します。フリーワードでの回答もできます。私は書きたいことがたくさんあったのですが、フリーワードの欄が小さくて、あまり書けないことが残念でした。

それはともかく、そのマークシート用紙にはHBの鉛筆またはシャープペンシルで記入するよう指示がありました。私は、講義を受けるときの筆記具には消せるボールペンを使っており、鉛筆またはシャープペンシルは持っていません。

事前に指示があれば用意しておきますが、このようなアンケートが行われること自体も、鉛筆またはシャープペンシルが必要となることもまったく知らされていません。仕方ないので、ボールペンで記入しました。講師の不手際なのか、事務方の不手際なのかはわかりませんが、こういう事務連絡はきちんと行っていただきたいものだと思いました。

TACの養成答練とは

今週は「養成答練」でしたが、その場でも鉛筆・シャープペンシルを持っていない受講生が一定いたようで、その点について養成答練の直前に講師から説明がありました。受付で買ってきてください、とかなんとか。私は前回、「養成答練でも必要ですか?」と講師に確認しておいたので、今日はシャープペンと消しゴムを持っています。しかし、アンケートならともかく、模試の際にもそういう説明がきちんと事前になされないのは、非常にまずいと思います。

追記:この記事をアップした数日後に、TACの受講生用のWebページに、答練には鉛筆またはシャープペンシルを持参する旨の注意書きが追加されました。TACの担当者がこの記事を読んだからのか、あるいは他の受講生や講師からの指摘があったからなのかはわかりませんが、すぐに対応する姿勢は正しいと思います。「君子は豹変す」。

それはさておき、TACの「養成答練」とは、要するに科目ごとのミニ模試です。マークシート用紙で回答し、後で集計された成績表がWebで発表されます。その意味では模試なのですが、試験終了後に講師による解答解説も行われます。そこが単なる模試ではなく「答練」ということなのでしょう。試験時間は60分で、講師による解説が約80分でした。

答練にも時期によってレベルが設けられているですが、学習をはじめたばかりの今、養成答練は基礎レベルの確認です。

時間内に終わるのがうれしい!

問われている知識は基礎レベルなのですが、本番の中小企業診断士試験的な感じで選択肢に若干迷わせるような書き方をしているものがあって、4~5択のうち、2つまでは絞り込めても、そのどちらが正解なのかで迷うものもけっこうありました。自分の知識定着の不確実さを思い知らされます。

なお、60分の試験時間ですが、足りないということはなく、ちょうど使い切るくらいでした。TOEICではいつも時間が全然足りず、最後は必ず大量の「塗り絵」になっていたので、基本模試とは言え、時間内に全問を解き終えることができた感覚は、新鮮で嬉しかったです。

けっこう間違えた…

試験後、マークシートの解答用紙は回収されますが、解答・解説冊子が配られ、問題用紙に書いておいた解答で自己採点ができます。自分は77~80点(100点満点)だったようです。幅があるのは、1問、迷った選択肢のうちのどちらをマークしたのかが不明になってしまった問題があったからです。ほんの15分くらい前のことなのに……。脳の海馬に欠陥があるのでしょうか?

その不明問題を含めると、間違えたのは全30問中の7問です。他の受講生と比べてどうなのかはわかりませんが、自分としては意外と多く間違えてしまった、というのが正直な感想です。

「知っている」ことと「正解できる」ことは違うと痛感

まず、問われていることについて「まったく知らなかった」ものが3問ありました。これが正解できないのは当然です。後から見たら、その知識についてテキストにはしっかり書いてあったので、これは単なる勉強不足ですね。

また、一応知ってはいるのだけど、知識があいまいで、迷った問題は、7、8問だったでしょうか。選択式なので、あいまいな知識でも2択まで絞り込めれば、50%の確率で正解できます。しかし、これは本来であれば、確実に正解しておくべきです。知っていることなのですから。

そういう意味で、基本的な知識ばかりが問われている30問のうち、7問も落としたことは、自分としては不本意な結果です。不正解率は1割(3問)以内とすべきでした。

しかし、「知っている」ということと、「確実に正解できる」ということは、まったく違うことなのですね。それを身をもって痛感できたことが、はじめての養成答練で得られた大きな収穫です。中小企業診断士試験本番に向けての、今後の学習の糧とします。

ジングル問題

ところで、解答を確認した後で、1題だけ「ん?」と疑問に思う問題がありました。

「ブランド」にかんして、不適切な記述を選ぶ問題です。5択のうち、3つの選択肢は明らかに間違いで、以下の2択で迷いました。

ウ)「ブランド化の手段には多様なものがあるが、ブランドネーム、スローガン、ジングルは、言語性を有している点で共通している」

エ)「ブランド拡張は、既存製品において大きな成功を納めたブランドを用いて、同一の製品カテゴリーの製品ラインナップを充実させていく際に有効なブランド戦略である」

コトラーの4つのブランド戦略をしっかり覚えていれば、エが不適切だと確信できたのですが、実はここ、恥ずかしながら記憶があいまいでした。そして、ウとエで迷って、ウで回答。不正解です。

ウ)を「不適切」だとしたのは、「ジングルは必ずしも言語性を有しているわけではない」と思ったからです。皆さんはどう思われるでしょうか?

ジングルはたしかに、メロディにキャッチコピーを乗せている場合が多いですけど、メロディーのみのジングルだってありますよね。たとえば、有名なインテルのジングルです。以下で再生できます。

このメロディを聴けば、だれでもインテルを思い浮かべるでしょう。つまり明確に「ブランドを構成する要素」となっているジングルです。しかし、ここに「言語性」はないはずです。

したがって、ジングルには言語性を有しているジングルもあれば、有していないジングルもあるというのが、正しいはず。

そう考えて、ウ)を不適切だと判断したのです。

しかし、正解の解説には、「ジングルは言語性を有している」と書いてあります。これは納得できません。(もしかして、人間は言語のレイヤーで分節化しなければ世界を認識できないという、ソシュール言語学のような話なのでしょうか?)

それならそうと、テキストに書いてほしいものですが

こういうときに、すぐに(講義後に)講師に質問できるのが教室講義のいいところです。

私の質問に対する講師の回答は、「マーケティング理論では、ジングルは言語性を有するということになっている」というものでした。要するに、たしかに現実は違うこともあるのだけど、そういう定義なのでそのまま覚えてください、ということです。

そうですか(笑。

もちろん、試験問題に正解するということは、現実の事象を正しく分析することではなく、その問題が作られる前提になっている理論、あるいは問題作成者の思考方法を「なぞる」ことだというのはわかっています。ですので、「そういう定義になっているから、そのように覚えてください」というのであれば、それはそれで構いません。合格が目的の受験生としては、そのまま覚えるだけです。

しかし、それならそれで、テキストにはそう書いておいて欲しいとは思いますね。そういう定義は、テキストには書かれていません。実際に観察される現実に反する事柄で、しかもテキストにも定義が書かれていないのでは、答えようがないのではないでしょうか? その点で、この問題だけは、基本模試の問題としてはちょっと筋が悪いのではないかと感じました。

(ちなみに、「マーケティング理論では、ジングルは言語性を有するということになっている」という説明について、自分で裏を取ってはいないので、正しいのかどうかはっきりとはわかりません。後で調べてみるつもりです。講師の説明がつねに100%正しいとも思っていないので)。

つぎは財務

さて、これで企業経営理論は一応の一区切りです。

実は、前回書いた「早期財務」Web講座の受講がまだ全部終わっていません(残っているのは10回講義と答練)。このWeb動画は10月末までしか視聴できないので、取り急ぎ進めなければ。

その「早期財務」で、CSのところが、泣きたくなるほどわからなかったので、「企業経営理論」の講師に相談したところ、基本として『財務三表実践ドリル』(國貞克則)を勧められました。さっそく買ってきたので、講座と並行して回していきたいと思います。

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