なぜ中小企業診断士を目指そうと思ったのか、ということを書いておきます。
コモディティ化するWeb制作業界
まず、背景としてはいま勤めている会社や業界について、将来への不安があることです。
いま勤めている会社は、Webの制作会社ですが、ここ数年の業績は低迷を続けています。給料も上がるどころか、逆に下がっています。急に倒産するということはないでしょうが、Web制作業界自体が激しいレッドオーシャンとなり、あるいはコモディティ化している中、会社の将来への不安は大きなものがあります。
個人スキルの不足
もう一方では、自分自身へのスキル、能力が低いことへの不安です。
現在の会社では、主にディレクターとしての仕事をしています。ただ、私がこの会社に入ったのは3年ほど前で、それ以前は別の業界で別の業務をしていました。したがって、Web業界一筋で10年以上やっているようなディレクターと比べると、どうしても経験、スキルが劣ります。以前の業務でのスキルが活かせることもあるので、必ずしも総合的に劣っているわけではないと思いますが、スキルの専門性と深さという点では客観的に考えて劣るように思えます。
また、小さい会社なのでその他の雑用も当然しなければなりません。他の会社のことはわかりませんが、いまの会社ではディレクターはどちらかというとお客さんとデザイナーやコーダーの間に立って、いろんな調整をする雑用係みたいな感じですね。
仕事ですので、それはそれでよいのですが、上記のように経歴とあわせて考えると、経験の長いディレクターや、デザイナー、コーダーのように「手に職」という感じではなく、つまり自分自身の「武器」と呼べるようなものがないとは、常々感じます。
そういうわけで、わかりやすい武器としての資格取得を考えました。ただし、年齢的なことも考えると、たとえ資格を取得したとしても、それを使って転職や独立開業というのは、なかなか厳しい面がありそうです。そこで、資格自体もそうですが、その資格取得のための知識についても、現在の会社での業務に役立ちそうなものである方がよいと思いました。
Webサイトというのは、広い意味でのマーケティング戦略の一環として作られるものですから、事業戦略-マーケティングの基本的な知識を体系的に身に付けておくことは決して無駄にはならないはずです。
基本的にはそういう観点から、中小企業診断士の資格を選びました。
内容に興味が持てそう=モチベーションが続きそう
そして、もう1つの理由としては、他の法律系資格(社労士や行政書士)と比べて、けっこう面白そうだな=学習のモチベーションが続きそうだな、と思ったこともあります。
自分にとっては、法律の勉強というのはどうしても無味乾燥な暗記が多いというイメージがあります。
それに対して、診断士の企業経営論、財務会計などは、実際の企業活動を素材としていますのでなまなましく、「(業績が良くない)自分の会社だったらどうするだろう」と、切迫感をもって考えられるので、勉強にも取り組みやすいと感じました。